鹿留川< 相模川水系>


この渓に始めて来たのは、もう10数年前の事だった。
その頃、この川は水量豊かで川底には大小の石が散らばり非常に素晴らしい渓相だった
河原は割と広いのに、周りは深い森に覆われ比較的天然物が多いアマゴと完全に天然の 岩魚が良く釣れた。
それがある年の解禁日に釣りに行くと、忽然とマス釣り場が出来ていた。
それがあの「ホリディロッジ鹿留」だった。
その頃、フライ・フイッシングを始めたばかりだった私は、その素晴らしい環境が(もともとの 環境の良さは抜群だったからね)気に入ってずいぶん通ってしまいました。
経営者の(関口さんだったと思う)渓流魚に対する理解の深さや、釣り場環境のありかたについての 考え方や方向が自分に合っていたのだと思う。



確かに、マス釣り場でのフライ・フイッシングは安易だが、 ここはフライ・フイッシング専用の区域を 設けたり、ブラウントラウトやアマゴの割合を多くしたり、 後にはシルバー・サーモンやブルック・トラウト (これはちょっとまずいんじゃないかい)も入れるなどゲーム・フイッシングとしてのフライを 確立する努力をしているのには敬意を表したいと思う。
近年、ここも上流部の山域が荒廃して土砂の流入が激しく、玉石が散りばめられていた 川底や深い淵は砂に埋まり、単調な川になって来てしまっている。
源流部の林道工事や木材の伐採は、確かに流域地域の生活や経済などの為にしかたがない事である。 それをよそ者の私がどうこう言ってもしかたがないのだが「お願いだからもちょっとこのままにしといて!」 とつぶやかずにはいられないのであります。


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